カタカナ日本語と新型コロナウイルス関連について

従心会倶楽部と連携しているあるNPO法人の役員のメールでのやり取りをご紹介させていただきます。

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「ぶどう酒の赤 下さい」と 東京のさるレストランで女性店員に注文したら、「生憎ですが当店では扱っておりません」と言われた。食事を済ませレジに向かったが、他のテ-ブルではぶどう酒を飲んでいる人がいた。“ぶどう酒” では意味が通じず “レッドワイン”と言わなければいけなかったらしい。

日本語が通じないということでもう一話。ある日コンビニで昼食にそぼろ弁当を買った。「箸をおつけしましょうか?」と店員。「箸では食べにくいので匙にしてくれる?」と私。店員は一瞬固まってしまい暫く無言だった。あー匙も通じないかと思い、「箸の代わりにスプ-ンにして頂戴」と言ってやっと欲しい物を手に入れることが出来た。

この店員に注文した人はさるNPO法人の監事を務めている、海外駐在20年の経験を持つ南雲康宏氏である。そんな同氏だからこそ余計日本のど真ん中の東京で日本語が通じないのでびっくりしたそうである。南雲氏にとっては所謂「逆カルチャーショック」ではなかったであろうか。

このNPO法人も新型コロナウイルスの関係でしばらく活動お休み、その役員は自宅にいることがほとんどの毎日、同じくその理事の一人である竹内利行氏が これから暑い季節をむかえるに際し、さる学会からの「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言」という情報を入手したので、役員各位にメール送信したのに始まる。(その情報の内容はこの最下段に転載しております。ご参考ください)

その提言の中にフィジカルデイスタンスシングというカタカナ語があるのに上記の南雲氏の目にとまった。以降その南雲氏と竹内氏のメール交換の概要である。

南雲氏:
「小池都知事はSocial Distancing を ソシアル デイスタンス と言っていますが本文ではきちんと フィジカル デイスタンシング と表現していることが印象に残りました。デイスタンスは単なる距離の意であり、デイスタンシングは距離を置くという動作を伴ったコトバなので、デイスタンシングのほうが好ましく思います。」

竹内氏:
「イング(ing)は確かに動作を含む語(動名詞)だから距離を置くとしなければ、ましてコロナ騒動時では危ない。しかし、どうもデイスタンスはもともと日本人には幅を持った距離との意味合いの意識もって認識しているのではないかとなかと疑問視。
その後、同NPO法人理事の菅野淳氏がメール参加、コロナ関連のカタカナ語を以下のようにまとめられた。

菅野氏:
「新型コロナウイルスは、各地でクラスターを発生させ、そしてそれがオーバーシュー
トになり、国によっては主要都市のロックダウンが行われるなど、世界的なパンデミックになった。これを受けて、ここ日本ではステイホー ムが日常となり、外ではソーシャルディスタンスを保ったことにより、一時的に落ち着きを見せているが、第2波の危険性も高まったことで東京アラートが発動された」
さすがにさる業種の月刊誌発行の主幹である。 

果たして今年度の流行語大賞は何になるのか、まだ半年も後だが やはり、おそらく新型コロナ関連のカタカナ語になるではなかろうか。

以上

(付)

「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言」

日本救急医学会・日本臨床救急医学会・日本感染症学会・日本呼吸器学会

  •  屋内においては、室内換気に十分な配慮をしつつ、こまめにエアコン温度を調節し室内温度を確認しましょう。

  •  マスク着用により、身体に負担がかかりますので,適宜マスクをはずして休憩することも大切です。ただし感染対策上重要ですので,はずす際はフィジカルディスタンシングに配慮し、周囲環境等に十分に注意を払って下さい。また口渇感に依らず頻回に水分も摂取しましょう。

  • 体が暑さに慣れていない時期が危険です。フィジカルディスタンシングに注意しつつ、室内・室外での適度な運動で少しずつ暑さに体を慣れさせましょう。

  •  熱中症弱者(独居高齢者、日常生活動作に支障がある方など)の方には特に注意し、社会的孤立を防ぐべく、頻繁に連絡を取り合いましょう。
  •  日頃の体調管理を行い、観察記録をつけておきましょう。おかしいなと思ったら、地域の「帰国者・接触者相談センター」や最寄りの医療機関に連絡・相談をしましょう。