千葉哲雄さんのハノイ便り(その1)

従心会倶楽部の会員でベトナムのハノイ在住の千葉哲雄さんから先日お便りをいただきました。
今後も時折お便りをいただけるとのことですので「千葉哲雄さんのハノイ便り」として掲載させていただきます。
千葉哲夫
筆者の千葉哲雄さん(ハロン湾にて撮影)
ベトナムのハノイに着任して1年が経ちました。
今こちらは雨期です。1か月ほど前までは、連日40度近い猛暑が続いていましたが、最近は局地的な豪雨が降り、若干凌ぎやすくなります。
6月初めに稲刈りをやっていた畑で、今は田植えが見られます。二期作を実感できる光景です。昔子供の頃見た風景を思い出します。とても心和む瞬間です。
写真1
脱穀 (6月初旬) 
写真2
田植え(6月下旬)
コンサルタンツの日本工営からハノイ行の打診があったのが昨年の5月、そして6月の赴任、とても慌ただしい1年でした。
担当しているプロジェクトは、
プロジェクト名:ビンフック省投資環境改善計画
資金源:国際開発機構(JICA 円借款)
事業・調査実施期間:2008年5月~2015年12月
事業費・調査費:総額(ローン総額)  117.2億円
           (土木工事92.1億円、コンサルタンツ経費14.4億円、その他10.7億円)          
ビンフック省はハノイ市に隣接する県です。ハノイ市内から車で約1時間の地域です。ここに外国企業を誘致するために基本的なインフラを整備するプロジェクトです。
日本の円借款ですが、客先(ベトナム政府)には自分達の資金(借款なので確かにそうですが・・)で実施しているという自負が強く、政府主導のプロジェクトです。
自分の前任者は政府から帰国命令が出たのでやむなく帰国したと当地に来て聞かされました。コンサル職員を帰国させるほど権限を振りかざします。
工事内容は
CP-1 ハノイ郊外の幹線道路からフックエンまでの片側2車線のバイパス道路15Km建設
CP-2 ビンフック省の主要都市であるビンエン市及びフックエン町への水道施設建設。
  取水口、浄水場 そして水道配管網。    
CP-3 ビンエン市内下水道施設の建設。下水処理場と下水道配管網。
CP-4~CP-9 ビンエン市及びフックエン町配電網施設の改善。
自分の担当はCP-1~CP-3の道路、上水道、下水道工事の施工管理です。
日本工営はベトナムのコンサルタンツを下請けとして雇用しているので、日本人は所長と自分の二人だけです。
当該事業の公用語は英語とベトナム語なのですが、ほとんど英語が通じません。客先(ベトナム政府)、業者との会議等もほとんどベトナム語中心ですが、我々日本人、そして韓国人(道路と上水道の施工業者は韓国)の為に通訳(英語/ベトナム語)が必ず入ります。日本工営もメイン事務所の他現場事務所が3カ所あるのですが、それぞれに通訳がいます。通訳4名すべて女性です。下記はビンフック省の知事が道路現場を視察した時の写真です。道路現場事務所の通訳がついています。
写真3
自分も最初の頃は必ず通訳を同行して現場に行きましたが、最近は一人で行くことが多いです。
メイン事務所を中心に東の道路現場終点まで車で40分、西に上水道工事の取水口まで40分、この広い地域が自分の守備範囲です。しかも住んでいる場所がハノイ市なので、毎日の通勤で移動する往復50キロを入れるとほぼ毎日車で100キロ近く動いていることになります。
この年で恙なくこうして働かせてもらえるのも、現地従業員の支援あってのものと改めて感謝するこの頃です。