蚕起きて桑を食う(かいこおきてくわをくう)

蚕が、桑の葉をいっぱい食べて育つころです。美しい絹糸となる繭を、小さな
体で紡ぐのです。
ちょうどこの時期にあたる旧暦の四月には、木の葉採りつ月という別名があり
ます。蚕のえさである桑の葉を摘むころ、という意味です。養蚕は戦前まで日
本で盛んで、たくさんの桑畑が広がっていました。蚕は美しい糸をはいて繭を
つくり、その繭から絹の糸がとれます。東北では蚕の神さまを、おしらさまと
呼んでいました。
まゆひとつ仏のひざに作る也    小林一茶
〔出典〕日本の七十二候を楽しむ-旧暦のある暮らし-
    白井明大著、東邦出版
桑の葉